MvvmCrossでページ遷移を実装する(Windowsストアアプリ編)

月曜日 , 9, 6月 2014 Leave a comment

0.概要

 

MvvmCrossはMVVMで開発するために最近良く使われるフレームワークですが、outoloadのような挙動の部分があって戸惑うことがあります。

公式のサンプルなども、説明がWindowsストアプリ、Windows Phone、Androidなど入り混じるため理解しづらい面もあります。

 

今回はシンプルにWindowsストアアプリにMVVMCrossを導入し、ページ遷移を行うまでを紹介します。

 

1.Windowsストアアプリの作成

 

新規プロジェクトから「空のアプリケーション(Windows)」を作成します。

 

001

 

2.PCLの作成

 

MvvmCrossは共通部分をPCL(Portable Class Library)として実装する想定でサンプルが書かれていることが多いです。

必ずしもそうする必要はありませんが、今回も今後Windows PhoneやXamarinのプロジェクトを追加することを想定してPCLで作成します。

 

PCLはソリューションエクスプローラーでソリューションを選択した状態で、右クリック→「追加」→「新しいプロジェクト」をクリックして追加します。

 

002

 

 

「新しいプロジェクトの追加」ポップアップの左ナビ「Visual C#」を選択した状態で、中央のリストから「クラスライブラリ(ポータブル)」を選択します。

プロジェクト名を「{プロジェクト名}.Core」とつけます。これは作法的なもので名前は任意で構いません。

 

003

 

 

PCLで対応するプロジェクトを選択します。

現時点でWindows Phone 8.1はMvvmCrossに対応していませんが、追加しておきます(現時点では、エラーが出るので、後で外し方を説明します)。

 

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OKボタンを押してPCLの作成を完了します。

Windowsストアアプリ側の参照にPCLプロジェクトを追加しておきます。

 

3.MvvmCrossの導入

 

WindowsストアアプリとPCLそれぞれにNuGetからMvvmCrossを追加します。

PCLのプロジェクト名から右クリック→「NuGetパッケージの管理」をクリックします。

 

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「NuGetパッケージの管理」ウィンドウの右上の検索窓に「MVVMCross」と入力します。

検索結果の一覧から「MvvmCross」を選択、右端の「インストール」をクリックします。

(最低限の導入であればMvvmCross – Hot Tuna MvvmCross Librariesで良いのですが、上記の場合ドキュメントやサンプルコードを導入してくれます)

 

006

 

現時点では以下のようにエラー出ます。

これはWindows Phone 8.1のプロジェクトが今のところMvvmCrossに対応していないためです。

 

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エラーを解消するために、PCLのプロジェクト名を右クリック→「プロパティ」を選択します。

ターゲット欄の「変更」をクリックしてWindows Phone 8.1のチェックを外します。

 

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再度、NuGetからMvvmCrossを追加します。

同じくWindowsストアアプリにもNuGetからMvvmCrossを追加します。

 

これで準備は完了です。

 

4.Viewファイルの追加

 

まずはViewファイルを追加します。

ViewファイルはWindowsストアアプリ側のプロジェクトに追加します。

基本、Viewはとそれぞれのプロジェクト。ViewModelとModelはPCLというのがセオリー(というか理想?)です。

 

ViewはViewsというフォルダに「{ページ名}View」という命名規則で作成します。

サンプルとしてFirstView.xamlというファイルが既存として追加されていますが、今回はあえて新規に作成します。

 

MainPageView.xamlというファイルをViewsフォルダ以下に作成してください(ページのタイプは説明では「空白のページ」を選びますがどれでも構いません)。

 

MainPageView.xamlを以下のように書き換えます。

 

 <mvvm:MvxStorePage
    x:Class="MvvmCrossPageNaviSample.Views.MainPageView"
    xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
    xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
    xmlns:local="using:MvvmCrossPageNaviSample.Views"
    xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
    xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
    xmlns:mvvm="using:Cirrious.MvvmCross.WindowsStore.Views"
    mc:Ignorable="d">

    <Grid Background="{ThemeResource ApplicationPageBackgroundThemeBrush}">
        <Button Command="{Binding pageNavigate}" Content="Button" HorizontalAlignment="Left" Margin="321,206,0,0" VerticalAlignment="Top"/>
    </Grid>
</mvvm:MvxStorePage>

 

トップレベルのタグがPageからMvxStorePageに変更されている点と、xmlnsにmvvmという名前空間が追加されているのがポイントです。

ButtonにCommandが指定されているのも覚えておきましょう。

 

続いてMainPageView.xaml.csも編集します。

 

using Cirrious.MvvmCross.WindowsStore.Views;
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.IO;
using System.Linq;
using System.Runtime.InteropServices.WindowsRuntime;
using Windows.Foundation;
using Windows.Foundation.Collections;
using Windows.UI.Xaml;
using Windows.UI.Xaml.Controls;
using Windows.UI.Xaml.Controls.Primitives;
using Windows.UI.Xaml.Data;
using Windows.UI.Xaml.Input;
using Windows.UI.Xaml.Media;
using Windows.UI.Xaml.Navigation;

// 空白ページのアイテム テンプレートについては、http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=234238 を参照してください

namespace MvvmCrossPageNaviSample.Views
{
    /// <summary>
    /// それ自体で使用できる空白ページまたはフレーム内に移動できる空白ページ。
    /// </summary>
    public sealed partial class MainPageView : MvxStorePage
    {
        public MainPageView()
        {
            this.InitializeComponent();
        }
    }
}

 

Pageクラスを継承していたものをMvxStorePageを継承した形に書き換えてあります。

 

5.ViewModelの追加

 

続いてViewModelを追加します。

ViewModelはPCLプロジェクトの方にViewModelsというフォルダを作成してそこに追加していきます。

ViewModelは上記フォルダに「{ページ名}ViewModel.cs」という命名規則で追加してください。

 

今回はMainPageViewModel.csというファイルを作成します。

作成後、ソースを以下のように書き換えます。

 

using Cirrious.MvvmCross.ViewModels;
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Input;

namespace MvvmCrossPageNaviSample.Core.ViewModels
{
    class MainPageViewModel : MvxViewModel
    {
        private MvxCommand _pageNavigate;

        public ICommand pageNavigate
        {
            get
            {
                _pageNavigate = new MvxCommand(_navigate);
                return _pageNavigate;
            }
        }

        private void _navigate()
        {
            ShowViewModel<FirstViewModel>();
        }
    }
}

 

MvxViewModelクラスを継承しているのと、ページ遷移用のCommandが追加されています。

6.残り調整

 

Windowsストアアプリプロジェクト側のApp.xaml.csのOnLaunchedメソッドの以下の行を削除、

 

rootFrame.Navigate(typeof(MainPage), e.Arguments);

 

かわりに以下を追加します。

 

                var setup = new Setup(rootFrame);
                setup.Initialize();

                var start = Cirrious.CrossCore.Mvx.Resolve<Cirrious.MvvmCross.ViewModels.IMvxAppStart>();
                start.Start();

 

PCLプロジェクト側のApp.csの以下の行を書き換えます。

 

            RegisterAppStart<ViewModels.FirstViewModel>();

 

を、以下に、

 

            RegisterAppStart<ViewModels.MainPageViewModel>();

 

これはスタートページがMainPageだということを表しています。

 

7.デバッグして動作確認

 

最後にデバッグそて動作を確認します。

Buttonと書かれたボタンをクリックすると別のページ(FirstPage)に遷移すれば成功です。

 

8.ポイント

 

今回のポイントを紹介します。

まず、MvvmCrossを利用するにはViewやViewModelを命名規則に則ったファイル名、フォルダに配置することで自動で読み込まれること。

MVVMで開発経験のある方なら、今回の処理でDataContextにViewModelを代入する処理がなかったことにお気づきかと思います。

 

ボタンイベントはCommandで送り、ページ遷移はShowViewModel<遷移したいページのViewModel>という形で指定した点です。

 

このへんの動きを知っておくと、MvvmCrossのソースコードが読みやすくなると思います。

 

今回のコードはGitHubにアップロードしてありますので、コードを触りながら確認したいという方はDLしてみてください。

 


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